Business plan

補助金の「事業計画書」で落ちやすい所
地域の小さなお店・宿が見直したい7つの点

まず結論

補助金の事業計画書で落ちやすいのは、「事業が良くない」ときより、「審査する人が知りたいことに答えていない」ときです。多くの補助金は、公募要領に「審査の観点(審査項目・加点項目)」が書かれています。計画書は、その観点を目次にして、一つずつ答える形で書くのがいちばんの近道です。

地域の小さなお店・宿が、とくに落ちやすい所は次の7つです。

  1. 審査の観点に答えていない(書きたいことを書いている)
  2. 課題と取り組みがつながっていない
  3. 数字に根拠が無い(売上が伸びる理由が書かれていない)
  4. 経費と取り組みが対応していない(何のために何を買うかが見えない)
  5. だれが・いつ・何をするかが無い(体制と日程)
  6. 地域や市場の説明が「地元の思い」だけ
  7. 公募要領の形式を守っていない(字数・様式・添付書類)

公募要領そのものの読み方は、前の記事「補助金の『公募要領』の読み方」にまとめています。

審査の観点公募要領 事業計画書課題取り組み数字の根拠体制と日程課題原因取り組み効果

1. 審査の観点に答えていない

  • 公募要領の「審査項目」「加点項目」の欄を、そのまま計画書の見出しにします。審査する人は、限られた時間で多くの計画書を読みます。どこに答えが書いてあるかが分かるだけで、読みやすさが変わります
  • 審査の観点に無いこと(創業の思い出、家族の話など)は、短くするか、観点の中の一部として書きます

2. 課題と取り組みがつながっていない

  • 「いま何が困っているか(課題)」→「なぜそうなっているか(原因)」→「だから何をするか(取り組み)」→「その結果どうなるか(効果)」を、一本の線でつなぎます
  • 例の形(数字は入れていない見本):「平日の客室が埋まらない」→「平日に来る理由を伝えられていない」→「平日だけの体験の企画と、その案内のページを作る」→「平日の予約が増える」
  • 取り組みが課題と関係の無い設備の買い替えになっていると、落ちやすくなります

3. 数字に根拠が無い

  • 「売上が2倍になる」と書くなら、「何が、何件、いくらで、なぜ増えるか」の掛け算で書きます(客数×単価×回数など)
  • 根拠には、これまでの自分の実績(月ごとの売上・客数の記録)、問い合わせの数、近くの同じ業種の動きなど、確かめられるものを使います。実績の記録が無い場合は、「今月から記録を取り始め、計画の見直しに使う」と正直に書くほうが、根拠の無い大きな数字より信頼されます

4. 経費と取り組みが対応していない

  • 経費の表の一つ一つに、「本文のどの取り組みのために使うか」を書き添えます
  • 相見積もりの有無、見積書の日付と金額が本文・経費の表とそろっているかを確かめます
  • ほかの用途にも使えるもの(パソコン・車など)は対象外になりやすい点は、公募要領の「対象外経費」で確かめます

5. だれが・いつ・何をするかが無い

  • 小さなお店・宿は、店主が一人で全部を担うことが多く、計画書にも「体制」が書かれていないことがあります。外注先・協力する人・相談する専門家の名前(会社名)と役割を書きます
  • 日程は月ごとの表にします。繁忙期(熱海・伊豆山なら年末年始・夏・連休)と、補助事業の期間(発注から報告まで)が重ならないように組みます

6. 地域や市場の説明が「地元の思い」だけ

  • 「この町が好きだから」は大切な動機ですが、審査では「だれが、なぜ、お金を払うのか」が問われます
  • お客様はだれか(観光客・地元の人・企業)、そのお客様はほかに何を選べるか(近くの同じ業種)、自分の店・宿を選ぶ理由は何か、を短く書きます
  • 地域への効果(雇用・ほかのお店への波及・空き家の活用など)を加点の観点にしている補助金もあります。公募要領に書かれている場合だけ、具体的に書きます

7. 公募要領の形式を守っていない

  • 字数・ページ数の上限、決められた様式、添付書類(決算書・見積書・商工会・商工会議所の書類など)、電子申請の入力欄の上限を、提出の前にもう一度、公募要領の一覧と照らします
  • 形式の不備は、内容を読む前に落ちる理由になりえます

提出の前の見直し表

提出前の見直し表見出しが公募要領の審査の観点と同じ順か課題→原因→取り組み→効果が一本の線か売上・客数の数字に「掛け算」と根拠があるか経費の表の一つ一つが本文の取り組みとつながっているかだれが・いつ・何をするかの表があるか(繁忙期と重なっていないか)お客様・競合・選ばれる理由が書けているか字数・様式・添付書類・締切の時刻を確かめたか

よくある質問

事業計画書は、何から書き始めればいいですか?

公募要領の「審査項目」「加点項目」を探し、それを見出しにした骨組みを先に作ります。中身は、課題→原因→取り組み→効果の順に埋めていきます。

売上の見通しは、控えめに書いたほうがいいですか?

大きさより、根拠が書けているかが大切です。客数×単価×回数のように掛け算で示し、これまでの実績や問い合わせの数など確かめられるものを根拠にします。

実績の数字の記録がありません

今ある記録(通帳の入金、予約の台帳、レジの記録)から月ごとの数字を拾えることがあります。無い場合は、記録を取り始めることも計画の一部として正直に書きます。

12FUND は事業計画書を書いてくれますか?

公募要領・審査の観点の整理と、計画書の材料(課題・数字・経費の対応)の整理をお手伝いし、必要に応じて専門家におつなぎします。

不採択だったら、もう同じ補助金には出せませんか?

次の回の公募に出せる補助金が多くあります。条件は補助金ごとに違うため、公募要領で確かめるのがおすすめです。不採択の理由を教えてもらえる補助金もあります。

次の一歩

公募要領の審査の観点と、手元の計画の材料(課題・数字・使いたい経費)を並べてみると、足りない所が見えてきます。自分だけでは整理しきれない方は、事業の内容と、使いたいお金の目的をお知らせください(最初は決算書などの大切な資料は送らないでください)。

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